4事業所が横断してカバーする、多層的な支援
就労継続支援B型・自立訓練・特定相談支援という3種のサービスを、4つの事業所が役割分担しながら提供しているのが、一般社団法人MeRiseの骨格だ。東所沢駅から徒歩8分の所沢みらい図と相談みらい図、みずほ台駅から徒歩11分の富士見みらい図、東所沢駅から徒歩10分の自立みらい図という4拠点が埼玉県内に点在している。相談みらい図は所沢みらい図の建物に併設されており、利用相談から通所、就労後のフォローまで一つの流れで対応できる体制だ。
設立は2017年12月。翌2018年に所沢みらい図を開所し、2019年に相談みらい図、2021年に富士見みらい図、2025年3月に自立みらい図と新建物への移転を同時に実現させ、約8年で現在の形に育ってきた。
自立みらい図が実現する、午前・午後の組み合わせ支援
2025年3月に新設された自立みらい図の最も特徴的な点は、自立訓練と就労継続支援B型を一つの事業所内に併設したことだ。「午前は就B作業、午後はカリキュラム」という組み合わせで、生活リズムの建て直しから作業スキルの習得まで、1日のなかで両方に取り組める環境が整っている。マンツーマンの面談で利用者の過去の経験や思いを丁寧に整理してから支援を組み立てる流れになっている。
送迎は、就B利用者向けの固定ルート2コースと、自立訓練利用者向けの3.5km圏内自宅送迎が使い分けられる。「自分の状況に合った送迎を選べるのが助かる」という声が聞かれる施設で、交通のハードルを下げてくれるという点が利用を決めるきっかけになっている、という声も目立つ。
手帳なし・ボーダーライン層にも開いた入口
一般社団法人MeRiseが強調しているのは、障害者手帳を持っている方だけでなく「ボーダーライン層にも寄り添える」という姿勢だ。引きこもりがちな方、人間関係で仕事が続かない方、病気の再発が不安でリハビリの場を探している方など、いわゆる制度の狭間に置かれやすい人たちの受け皿にもなろうとしている。所沢みらい図では手帳なしでのリハビリ目的の通所も受け付けており、まず通ってみることから始められる間口の広さがある。
正直なところ、こういう「入口を絞らない」姿勢を持った事業所は意外と少ないと感じた。「まずは話を聞くだけでいい」というスタンスは言葉だけでなく、LINE・電話・メールフォームの3経路で問い合わせを受け付けている仕組みにも表れている。特定相談支援の相談みらい図は12km圏内であれば出向いて相談に応じており、自ら動くことが難しい段階でも接点を作れるよう配慮されている。
工賃と作業内容、日々の現場の話
所沢みらい図の工賃は月20,000円〜40,000円で、ビギナー・ミドル・トップチームという3クラスの評価によって時給が変わる。箱組み立て・封入・清掃・物流倉庫対応と作業の種類は複数あり、「自分に向いている作業が見つかった」という利用者の声がある。フリーマーケット出店では販売収益の60%が工賃に反映される設定で、売り上げを意識しながら動く経験ができる。
12月の忘年会では表彰状の授与もあり、一年の頑張りが形になる場が設けられている。BBQや花見ウォーキングなど月単位でイベントが組まれており、次の目標を持ちながら通所リズムが作りやすい環境だ。地域企業との継続的な作業受注も続いており、「企業様のご理解あってのサービス」という言葉に、地域に根ざした運営の姿勢が表れている。


